ニュー・アメリカン・シネマ
第二次大戦後のアメリカで、大手映画会社とは関係のない独立映画作家が作った「個人」映画。叙情的、詩的、実験的な試みによって特徴付けられる。
ライオネル・ロゴージン『パワリー25時』(1957)、ジョン・カサヴェテス『アメリカの影』(1960)、ジョナス・メカス『樹々の大砲』(1960)などが挙げられ、60年代の「アンダーグラウンド映画」に連なる。
また『俺たちに明日はない』(1967)などの、60年代末から70年代はじめにかけて輩出した、それまでのハリウッド映画とは異なった傾向のアメリカ映画を2本ではアメリカン・ニューシネマと呼んで紛らわしいが、これらは本国では単にニューシネマと呼ばれている。
パナヴィジョン
現在、最も広く使われているワイドスクリーンの方式で、アナモフィック・レンズを使うプロセス。シネマスコープのような他の同様のプロセスに取って代わっている。「スーパー・パナヴィジョン」は70ミリのフィルムを用い、映像の圧縮を行わない。
「ウルトラ・パナヴィジョン」は1:1.25の圧縮比で70ミリフィルムを使う。70年代にパナヴィジョン社が、アナモフィックでなくとも同社のレンズを使った場合、「パナヴィジョン」と表示するよう求めだしたので混乱が起こっている。
フロント・プロジェクション
リア・プロジェクション(スクリーン・プロセス)よりもずっと正確で効果的な、映像を結合させる方法。高反射スクリーンの前でライブ・アクションが撮影される。
スライドあるいは映画映写機からの映像がミラーによって撮影レンズの光軸に一致して、スクリーンに投映される。それによって俳優の影はまったく見えなくなる。
スクリーンは非常に反射率が高く、演技する俳優には充分照明があてられているので、スクリーンの前の俳優と小道具には映写機からの映像はまったく映らない。
このシステムは、キューブリックの『2001年宇宙の旅』のためにダグラス・トランブルがさらに洗練させた。